#7 服従型Mの特徴

基本的に素直で従順。
周りの意見に従おうとする。
人の下のポジションに入るのがうまい。
したがって、ものを学ぶのがうまい。
相手の意見に反発して、自分の意見を押し通そうとはしない。
腹の中では少しイヤだな、と思ったりはしても
なるべくそれは表に出さず、
周りの人たちの望みに合わせる。
コミュニケーションは口を開けば直接的だが、
控えめな人がほとんど。

行動の基本原理は「相手に嫌われないように」であり、
自信の無さや自己評価の低さが
その行動や日頃の態度の中に常に見え隠れする人が多い。
周りの意見と運命に流されるまま、
周りから言われたこと、要求されたことには
素直に従う。
支配型Mの場合は同じMであっても、
言葉でハッキリとは出さなくても不機嫌そうな態度や言葉の選び方で
「あなたの提案には賛同していません、不満がありますよ」と
間接的な形で自分の望みをメッセージとして表す。
ところが、服従型Mは態度などのメタメッセージでも
ほとんど主張をしない。
なるべく、自分の不満を覆い隠すように努力する。
服従型Mの人にとってはその決定に多少不満があっても、
自分自身が決める側に回るよりは
誰か他の人が決めてくれてそれに従う方が
圧倒的に気が楽なのだ。
そもそも、強い望みを持っていないことも多く、
周りの人の望みがかなうのであれば、
それに従いたいと思っている。
そうしておけば、とりあえず、
自分自身が非難や批判の対象になることはないから。
ただし、服従型Sのように自分が責任を引き受けてまで
周りの人の望みをかなえるべく積極的に行動したりもしない。
自己評価が低い服従型Mにとって、
他者から自分に対して過剰な期待を受けたり、
自分が責任を引き受けるポジションに立つことは恐怖なのだ。
どうしても、主張したいことがあるときや、
受け入れがたい要求をされた時には、
しぶしぶ支配型Sのポジションに移動して、
ドキドキしながらも言葉ではっきりと要望を伝える。
ただし、滅多にそういう機会はない。
自分自身が進んでいく人生についても
主体的に自分で責任を持って考えることは苦手。
頼りになりそうな大きな船を見つけて、
周りの皆と一緒に乗り込んで安心しようとする。
自分で重要なことを決める自信がないので、
Sタイプの人たちに決断のアウトソーシングをするのだ。
服従型Mが、もし仮に「あなたの意見は?」
などと周りから聞かれてしまうと、
たとえ何か意見があったとしても、
それを口に出すのを恐ろしく感じる。
また、多くの場合はそんなものは持ち合わせていない。
そこで、ただ、下を向いてうつむいたり、
あいまいな笑顔をつくりながら、
「うーん、なんだろう?難しいね……」
と言葉を濁す。
宗教ならば、決して教祖にはならずに、従順な信者になる。
服従型Mが怒りをためるとき、
それは爆発的な形で表現されることが多い。
急に支配型Sのポジションに移動してキレる。
または、自分の頭の中で自分を被害者としてとらえ、
そこにマゾヒスティックな満足感を得る。
「自分はこんなにダメで情けない人間なので、
周りの人に迷惑をかけてしまっている。
生きていてごめんなさい。」
こんな風に自虐を行っているが、
これは自分自身の心のバランスを保つ一つの方法だ。

その背後には、
「ひどい目にあわされている自分は可愛そうな存在であり、
非難されるような悪い存在ではない。
『自分はダメで役立たずで周りに迷惑をかけている』と
理解し、それを反省し、それで悩み苦しんでいる分、
周りの人間もそれを理解して、
同情してくれてもいいはずだ。
苦悩している人間にさらに鞭打つ行為をするなんて、
人道的ではないから。」
という心理が無意識的に存在していることが多い。
服従型Mも支配型M同様、罪悪感を利用して
周りの人間からの攻撃を和らげたり、
逆に間接的に攻撃しようとしたりしているわけだ。
ただ、その表れ方は支配型Mほど演技的ではなく、
周りの人間には気づかれないことも多い。
そして、服従型Mはこの人にならグチを言っても嫌われない、
という対象を見つけると
その溜め込んだグチをどこまでも吐き出し続ける。
そうやって、自分が悪くないこと、正しいことを確認し、
心を支えようとする。
Sとはとても相性がいい。
特に支配型Sと服従型Mの組み合わせは
うまくかみ合うととてもスムーズに動く。
支配型Sが望みを口に出し、実行に移し、
服従型Mは支配型Mの指示に従う。
服従型Mにとって、
指示を出してもらえてそれに従えばいいという状況は、
自分自身で一切の決定をせずに
相手から自分が嫌われないで済む、
とてもありがたい状態なのだ。
よっぽど、その指示の内容がひどいものでない限りは。
服従型Sと服従型Mの組み合わせの場合、
服従型Sは服従型Mの望みを探る。
そして、あまり望みがないことに気づく。
あえて望みをあげるならば、
他者の決定に従いたい、という望みのみが
圧倒的に強いということに
服従型Sは気づくのだ。
そこで、服従型Sは自分の望みをあわてて作り上げる。
服従型Mが指示待ち状態で待っているから。
服従型Sがあわてて作り上げた指示や提案を
服従型Mは喜んで受け入れる。
服従型Sの提案や指示は
服従型Mが喜んで受け入れそうなものを
予想して作り上げたものだからだ。
服従型Mがそれに満足している反面、
もともと自分の望みがあまり強くない服従型Sは
毎回、毎回、指示待ち状態で待たれている状況に
疲れてくることもある。
支配型Mと服従型Mの組み合わせは最悪である。
支配型Mは服従型Mに間接的に自分の望みを伝える。
ところが、服従型Mのコミュニケーションスタイルは
直接的なので、
はっきりと指示命令されたことにしか反応できない。
あいまいな表現を受けて
そこから相手の望みを予測して、
自分自身の責任で動くということができない。
もしそのように相手の望みを予測して動いたのに
相手がそれを望んでいなかったら?
逆に相手にとって迷惑だったら?
そう考えると服従型Mは恐ろしくて動けない。
「何をして欲しいのかハッキリ言ってくれれば、
自分はそのように動きます。」
と服従型Mは支配型Mに伝えるのだが、
支配型Mはもちろんそのようには振舞わない。
自分の望みをハッキリと口に出してしまえば、
それに責任が伴うからだ。
察する能力のない(たとえ察していても自分から動かない)
服従型Mに対して支配型Mは苛立つ。
ハッキリと指示を出さずに不機嫌になっている支配型Mに対して、
服従型Mもオロオロと不安になったり、苛立ったりする。
服従型M同士の場合は、
双方ともとりたてて強い望みはないので、
二人で何もせずじっとしている。
必要なときには服従型Mの度合いが弱い方が、
支配型Sとしてふるまうことでかみ合う。
また、グチを言い合う仲間としてして意気投合し、
グチ合戦を繰り広げるケースもある。
いずれにせよ、支配型Mとの間ほどには
緊張が高まるケースは少ない。

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