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コーチ・カウンセラー・セラピストのみなさんへ

クライアントの望みに沿っているだけでは問題は解決しない

一方、クライアントの言葉をただひたすら傾聴しているだけでは
埒があかないこともよくあります。

たとえば、実現不可能な望みを持ち、
それがかなわないことを不満や悩みとして述べ続けるクライアントがいます。

「世界中の人、全員から好かれたいのです。
 そうじゃないと、不安でいつも辛いです」

このようなクライアントの望みにそのまま沿うことはできないでしょう。
世界中の人全員から好かれるというのはおそらく実現不可能だからです。
そのようなクライアントに対して、傾聴だけしていても、
なかなか状況は改善しません。
もし、改善するとしても大変長い時間がかかります。

また、ロジャース派のみならず、
コーチングや解決志向アプローチ(SFA)でも、
クライアントの自ら語る望み、目的、解決像を何よりも大切にします。

しかし、クライアントの持つ望みは実現可能ではあるものの、
不適切であったり、
そういった望みを持つこと自体が本人の悩みを深めているような場面も
多く見受けられます。

「高校受験をする息子には、私(親)が望む高校を受験してもらいたいのです。
 それなのに、他の高校を受験したいって言うんですよ!
 許せません!
 どうしたら息子は私の言うことをきいてくれるでしょうか?」

このクライアントの望みははっきりしています。
確かに強引に話を進めさせれば、
子どもの受験校をクライアントに思い通りに変えさせることが
できるかもしれません。

でも、子どもの幸せや自主性ということを考えると、
そういうわけにもいきません。

また、子どもの受験校選択について自分の意見に従わせようとする
その思考パターンこそがこのクライアント自身を生きにくくさせていることも
見て取れます。
こういうクライアントに対してもそのまま協力することはできないはずです。

カウンセリングやコーチングをやっていると
必ずこういう場面にぶつかります。

クライアントの悩みが深い時ほど、
実現不可能な望みや不適切な望みをクライアントが持っていることが多いのです。
(何をもって誰がどうやって、適切、不適切を判断するのか?という問題はありますが。)
こんなときに、そのままクライアントが訴える望みに沿おうとすれば、
うまくいかないことは明らかです。

このように、「答えは全てクライアントの中にある」という言葉を
そのまま鵜呑みにするわけにはいきません。
クライアントが抱く実現不可能な望み、不適切な望みについては、
適切なものへとうまく誘導する必要があり、
それはコーチ、カウンセラー、セラピストの大切な仕事のひとつなのです。

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