日常に活かす無意識コミュニケーション

大切なあの人のメンタルに成長の種をまく……

#2 自発性

自発性とは「自分で選んだ」と思っていること


人から押し付けられたことには抵抗が働く。

でも、それが、自発的な行動であれば、当然、そこに抵抗は生まれません。

では、自発性とは一体なんでしょうか?自然と相手の中からわきだしてくるもの?「自発性を引き出す」という言葉があります。これって、どういうことを指しているのかわかりますか?人から引き出されたら、それって、自発性じゃないと思いませんか?

めんたねでは、この自発性という概念をみなさんの常識的な感覚とはまったく違う角度からとらえて、あつかいます。めんたねでは、自発性を以下のように考えます。

人間は、周囲からの何らかの刺激を受け取ると、記憶やそれまでに学習してきた反応パターンに沿って、なんらかの行動をします。


たとえば、ある人が友人から、「イタリアは美しくて素晴らしい国だから行ったら楽しいよ。是非、今度行ってごらん。」と勧められて、実際に行ったとします。その人に対して、「なぜイタリアに行ったのですか?」と質問すれば、「友人に勧められたから。」と答えるはずです。

ところが、時間がたって、その人は、友人からイタリア行きを勧められた、という事実を忘れてしまったとします。そのときにもし同じ質問をすれば、こう答えるでしょう。「いや、なんとなく。イタリアにはなんとなく行きたい、と思っていたんだよ。美しくて素晴らしい国だと思っていたしね。」


つまり、行動の原因となった刺激を意識できているうちは、自然と降ってわいた自発的行動ではなくて、人に言われたからやった行動だと認識しています。

ところが、行動の原因となった刺激を忘れてしまったり、そもそも意識できないように、メッセージが工夫されて送り込まれたりすると、相手はその刺激に反応して行動するにもかかわらず、自発的に行動したと感じるわけです。

そう考えると、自発性というのは本人の中からわいて出てくるものではありません。本人が自分自身でその行動を選んだと「感じて」いること。本当に自分の意思で選んだかどうかは問題ではなくて、本人がそう「感じて」いればいい。

それが自発性だということになります。そういう状態を上手に作るように働きかけてやると、相手は、心理的反発を感じることなく、こちらのメッセージを受け入れてくれます。これはめんたねの原理の中でも基本中の基本なので、是非頭の片隅に入れておいてください。

本人が自発的に行動していると思っていると、その行動は永続的に続きます。

人から無理矢理やらされていると思っていると、行動は長続きしません。ですから、周りの人たちに働きかけて変化を引き起こそうとするならば、極力、相手に「自分は自発的に動いているのだ」と思わせるようなやり方で接するのがいいのです。

めんたねではそのための様々な方法をお伝えしていきます。



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