エリクソンの心理療法学習用書籍1:『ミルトン・エリクソン入門』
実は催眠誘導以上に書籍による独習が難しいのが
エリクソンの心理療法的側面です。
エリクソンはある一定の治療パターンに当てはめて
クライアントの治療を行うタイプの治療者ではありませんでした。
クライアントをよく観察し、クライアントの状況に合わせて、
その場で治療法を考えます。
しかし、そうは言っても、その考えるための手筋のようなものはあり、
エリクソンの手筋を上手にまとめてくれているのが、
『ミルトン・エリクソン入門』です。
『ミルトン・エリクソン入門』金剛出版
ウィリアム・ハドソン オハンロン (著), William Hadson O’Hanlon (原著), 森 俊夫 (翻訳), 菊池 安希子 (翻訳)
この本は次に紹介する『アンコモンセラピー』のような
エリクソン治療例集を読む際の辞書として使うといいでしょう。
もちろん、辞書として使うといっても、
実際の辞書のようにアイウエオ順に項目名が並んでいるわけではありません。
そもそも技法の名前が並んでいたとしても、
その技法がどのようなものなのかを知らなければ、
実際にエリクソンの治療例を見たとしてもその技法の存在に気づけません。
ここがまさにエリクソンの心理療法を学ぶのを難しくしているポイントなのですが。
知識と理解がないと、エリクソンの治療例を読んでも、
何が行われているのかがわからないのです。
ですから、まずは頭から一通り読んで
本書の内容を頭の中に簡単に入れて
エリクソンの見取り図を手に入れてください。
それができたら、次のステップへと進みます。
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